睡眠

活動限界時間とは?月齢別の目安と、日本の資料でみる赤ちゃんの睡眠と眠いサイン

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片手で目をこする、眠そうな赤ちゃん。
写真:Chidy Young(Unsplash)

活動限界時間とは何ですか?

活動限界時間は、赤ちゃんが目を覚ましてから次に眠るまで続けて起きている時間を指す育児の言葉で、英語の「wake window」にあたります。未就学児の睡眠指針、母子健康手帳、乳幼児健診のマニュアルには、この言葉も、月齢ごとに起きている時間の目安を並べた表もありません。

米国の医療機関クリーブランド・クリニックは、wake windowを昼寝と昼寝のあいだに起きている時間と説明し、赤ちゃんが目を覚ましたときに始まり、寝かせたときに終わるとしています。オーストラリアの無料の育児支援サービスTresillian(トレシリアン)は、この時間に授乳と遊びの時間も含めています。

クリーブランド・クリニックの小児科医は、見ておきたいのは起きている時間が月齢とともに長くなっていくことだとしています。生まれたばかりの赤ちゃんはおむつ替えと授乳を終えるのがやっとでも、生後数か月になれば、飲んで、おむつを替えて、少し遊ぶまで起きていられるようになるという説明です。

月齢別の活動限界時間の目安は?

月齢別の活動限界時間の目安は、米国のクリーブランド・クリニックでは生後1か月までが30分〜1時間、10〜12か月が3〜6時間で、オーストラリアのTresillianでは生後6週までが1〜2時間、11〜12か月が3〜4時間です。どちらも海外の機関の目安で、数字は一致していません。

Tresillianの欄のかっこ内は、Tresillianが使っている月齢の区切りです。

月齢 クリーブランド・クリニック(米国) Tresillian(オーストラリア)
生後0〜1か月 30分〜1時間 1〜2時間(生後6週まで)
生後1〜3か月 1〜2時間 1〜2時間30分(生後6〜12週)
生後3〜4か月 1時間15分〜2時間30分 1時間30分〜2時間(生後3か月)
生後5〜7か月 2〜4時間 2〜3時間(生後5か月、生後6〜8か月)
生後7〜10か月 2時間30分〜4時間30分 2時間30分〜3時間30分(生後9〜10か月)
生後10〜12か月 3〜6時間 3〜4時間(生後11〜12か月)

差が目立つのは両端の時期です。生後1か月まではクリーブランド・クリニックの目安がTresillianの半分の長さで、10〜12か月ではクリーブランド・クリニックの上限が6時間なのに対し、Tresillianは11〜12か月で4時間までとしています。

日本の未就学児の睡眠指針が示す新生児期の起きている時間は1〜2時間で、Tresillianの生後6週までの目安と同じ長さです。

日本の資料は、赤ちゃんの睡眠と起きている時間をどう説明していますか?

厚生労働科学研究費補助金の研究班がまとめた未就学児の睡眠指針は、起きている時間の長さを、数字では新生児期についてだけ示していて、1〜2時間の覚醒と1〜4時間の睡眠を繰り返すとしています。それ以降の時期は、1日の睡眠時間と、続けて眠る時間で説明しています。

  • 新生児期:1日の睡眠時間は16〜20時間。昼夜のリズムはまだみられず、日中と夜間の睡眠時間はほぼ同じ。
  • 生後3か月:14〜15時間に短くなり、3〜4時間続けて眠るパターンになる。
  • 生後6か月:13〜14時間で、6〜8時間続けて眠るようになり、昼夜の区別がはっきりしてくる。9か月ごろには7〜8割を夜間に眠るようになる。
  • 1〜3歳:11〜12時間程度で、ほぼ夜間に眠るようになる。

同じ指針は、朝に光を浴びると体内時計がリセットされ、日中に活動できる体制が整うと説明しています。夜に光を浴びると睡眠と覚醒のリズムが遅れることがわかっているとして、寝床につく前は明るい光を浴びないよう呼びかけています。

国立成育医療研究センターが公開している厚生労働科学研究班の「改訂版乳幼児健康診査 身体診察マニュアル」(2021年)には、米国のガイドライン(Bright Futures)から日本向けに抜粋・改変した保護者への助言例があります。3〜4か月児健診では、赤ちゃんは睡眠のパターンを作っている途中で、夜には4〜5時間続けて眠れるようになるとして、お昼寝と夜寝る時間をできるだけ毎日同じにするよう勧めています。6〜7か月児健診では、できるだけ決まったスケジュールで1日を過ごすこと、起きている時間には周りをたくさん見て家族と話せるようにすることを挙げています。

昼寝の回数と長さはどう変わりますか?

昼寝は月齢とともに減り、未就学児の睡眠指針によると、生後6か月では2〜4時間の昼寝を1〜2回、1〜3歳では1.5〜3.5時間の昼寝を1回とる程度になります。同じ指針は、3〜6歳ごろには昼寝をとらなくなるとしています。

オーストラリアのTresillianの目安では、生後3〜5か月の昼寝は1日2〜3回で合計3〜4時間です。長めの昼寝を2〜3回とる子もいれば、短い昼寝で足りる子もいるとしています。9か月ごろには昼寝が2回だけになる子もいますが、午後遅くに疲れるようなら、短い3回目の昼寝が必要なこともあります。14か月に近づくと、多くは1日1回の昼寝に移っていきます。

未就学児の睡眠指針は、昼寝の必要度は年齢とともに下がり、必要以上に長い昼寝は夜の睡眠を妨げるので注意が必要だとしています。

眠いサインにはどんなものがありますか?

赤ちゃんの眠いサインには、Tresillianとクリーブランド・クリニックによると、あくび、目をこする、まぶたが重そうになる、静かになって反応が鈍くなる、ぐずるといった様子があります。Tresillianは、活動限界時間や1日の流れを作るうえでいちばん大切なのは、赤ちゃんのしぐさや眠いサインに合わせることだとしています。Tresillianが生後3〜5か月のページで挙げているサインは次のとおりです。

  • うとうとする
  • 目がとろんとして、まぶたが重そうになる
  • 静かになる、反応が鈍くなる
  • あくびをする
  • 口で吸うしぐさをする、手を口に持っていく
  • ぐずる、落ち着きがなくなる
  • 目や顔、耳をこする

クリーブランド・クリニックの小児科医は、まばたきが増える、遠くを見つめるといったサインも挙げ、眠くなってくると動きが少なくなるとしています。Tresillianは、新生児期のサインとしてしかめっ面も挙げ、サインに早く応じると赤ちゃんが落ち着き、眠りやすくなると説明しています。

寝かせるタイミングについて、6〜7か月児健診の助言例(身体診察マニュアル)は、うとうとしかけたときに布団に入れ、自分で眠るようにすることを勧めています。クリーブランド・クリニックも、活動限界時間を知る目的は、眠そうでもまだ起きているうちに昼寝の準備ができるようにすることだとしています。

活動限界時間は守らないといけませんか?

活動限界時間は目安で、目安を示しているクリーブランド・クリニックもTresillianも、赤ちゃんに合わせて変わってよいとしています。クリーブランド・クリニックは、活動限界時間は赤ちゃんごとに少しずつ違い、同じ赤ちゃんでも日ごとに、さらに昼寝ごとに違うことがあるとしています。

クリーブランド・クリニックによると、決まったリズムに自然と落ち着く赤ちゃんもいれば、次の昼寝までのおおよその見当がつけば十分な赤ちゃんもいます。わが子のサインがわかってきたら、時計を見て、いつごろ眠くなるかのパターンをつかむよう勧めています。たとえば生後4か月の子が起きてから2時間ほどで眠そうになるなら、その5分前に寝かせるようにすると、眠いけれど疲れすぎていない状態で寝かせられるという例です。

Tresillianは、示している1日の流れを「あくまで目安」とし、赤ちゃんの眠りや家族の予定に合わせて変えてよく、体調を崩した日や忙しい日に崩れてもかまわないとしています。眠る準備ができているかを考えるときは、最後の授乳と睡眠からどのくらいたったかも手がかりになり、起きているあいだ機嫌よく周りとやりとりしていれば、睡眠は足りていると考えられるそうです。クリーブランド・クリニックも、1歳までの睡眠は厳密な決まりや公式に従わなくてよいとしています。

睡眠のことで相談したほうがよいのはどんなときですか?

赤ちゃんの睡眠で困っていることは乳幼児健診で相談でき、母子健康手帳の保護者の記録にも、3〜4か月頃から各時期に「お子さんの睡眠で困っていることはありますか」という質問があります。次のようなときは、健診を待たずにかかりつけの小児科に相談してください。

  • 起こしてもなかなか目覚めない、飲むことに興味を示さない、ひどく機嫌が悪くあやしても落ち着かない。米国のクリーブランド・クリニックは、こうしたときに小児科医に相談するよう勧めています。
  • 睡眠中にいびきをかく、引っかかるような呼吸をする。未就学児の睡眠指針はどちらも子どもの睡眠の病気でみられる症状に挙げていて、気になる症状があればまずかかりつけの医師に相談するよう勧めています。
  • 保護者自身の睡眠で困っている。母子健康手帳の保護者の記録には2週間頃からこの質問があり、気になることがあれば医師や保健師、助産師などに相談するよう呼びかけています。

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公的な情報

執筆:MyBaby編集部. 情報源の選び方と確認のしかた(英語).

MyBabyは医療機器ではなく、医学的な助言、診断、治療を行うものではありません。赤ちゃんの健康について気になることがあるときは、必ずかかりつけの小児科医や助産師に相談してください。

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